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【Review】Pretend Koukou Sep “翻訳” 9/27(Sun)


「翻訳」でした。

本当に個人的なReviewをここにまた綴ってしまおうと思います。

きわめて私利的なためお見苦しいところが多いと思いますが、ご容赦くださいませ。

高次の翻訳!?

物事が、これまでの自分の理解と異なるものとして捉えられるようになるとき、いつも何らかの鍵となるコトバがあります。「翻訳」もそんなコトバの一つでした。

わたしが多大な影響を受け続けているOctavio Paz。彼はメキシコ人の詩人で、スペイン語を話しますが、若いころから外交官としても活躍したので、数ヶ国語を解したと思います。それに加え、彼の詩への飽くなき信頼からして、世界の詩を翻訳し理解しようとしました。日本の俳句(特に芭蕉)をスペイン語訳したことでも有名です。

そんな彼は言います、外国語の詩を翻訳するということは、単に正確に翻訳することではなく、言語の保存する源泉としてのポエジーを再創造するようにコトバを選びやはり再創造していくことであると。しかしながら、それを翻訳というのであれば、これは通常の意味での翻訳ではないのではないか、ということを考えているときに、それを他の翻訳から区別するという意味で別のコトバが必要になるように思い、そういった詩の翻訳のような文化等における共同体を超えることによる再創造を「高次の翻訳」と呼ぶことにしました。

日本はこの「高次の翻訳」を歴史的に重層的に古代から重ねてきました。仏教も人口の増えた大半が山岳民であったものが平地に定住するために同時性もあいまって取り入れられたのではないかと折口信夫は言います。

当人たちに翻訳の意識は当然ないのですが、共同体にあった直訳を避けたり、あえて直訳をしてみる試行やさまざまな変異がありつつ、客観的に翻訳されるには成熟が必要になると思います。翻訳される文化そのものと共同体の性質の違いなどのようなさまざまな要因によっては、翻訳に長い単位の時間が必要となる場合があり、そこには「世代」の発生を要さずには高次の翻訳に至らないものもあるでしょう。

断絶とそのスケールにより途絶えてきた記憶として類化的に、高次に翻訳を重ねていく、その必要がある。

カセット効果 柳父 章( やなぶ あきら)を知り、大和の現在を知る

日本は歴史的に判明する限り少なくとも 2 度にわたって、外国文化・言語の大波を受けている。いうまでもなく、第 1 波 は2世紀以来とも言われる圧倒的な中国文化・中国語であり、第2波は江戸時代および特に明治維新以来、 日本が受け入れざるを得なかった西洋文化・西洋諸語であります。大和言葉の文字通り女性的調和を内存する母音の織り成す言語的世界イメージは、早々と処女喪失的な変化の波に犯されたとも言えます。

明治の西洋文明を積極的に取入れはじめた第2波の時代に、文学や思想や哲学それはすなわち学術的なあらゆる分野で、それまでの日本語には存在しない、つまり記号内容自体が日本には存在しなかったという意味で新しい外国単語を翻訳するときに、新しい日本語を生成する必要に迫られました。中心の国からの中国という通い夫を失い、第二の波に犯されて生じた子供たちがいまのわたしたちとも言えます。

しかし、前述のとおり、日本語にはそもそも中国から訓読により四声を失って外来し合流した漢字という元々異語であった翻訳に晒されていたので、第二波の際にも、その根無し草ならぬ大地のない花のごとくに言語を生成する男性的な種まき的漢字の特質を利用した。

(カセット効果はそもそも中国文化圏の漢字の特質なのか。中国本土や台湾などでも批評的に扱われている学説なのかは気になるところ。文化という言葉自体が文に成るというものであり、このプロセス自体もその種の術中というわけだ。)

ラテン文字に代表されるアルファベットが一つの音価を表記する 音素文字 であるのに対し、漢字は一般に、それぞれが個別の意味を持ち音節に対応している 形態素 である。しかし現代中国語の単語は、大部分が 2つ以上の漢字を組み合わせたもの になっている。

本来、一字が一義を表すことだけを重視して表意文字としてきたのであるが、これは古代中国語の一音節が一つの意味を表す孤立語的な言語構造に由来するのであって、正確には音と意味両者を表記する 表語文字 である。つまり、1字が1語を表しているのである。このような漢字の特徴から伝統的な文字学では漢字を形・音・義の三要素によって分析してきた。

しかし、一つの音の持つ語が派生義を産んで、1字が複数の(まったく正反対の、あるいは無関係で一方の字義からは想像することはできないような)字義をもっていたり、読みが変わって、複数の字音をもっていたりする場合もある。また、外来語を表記する場合など、単純に音を表すために作られた漢字もあり、字義を持たない場合もある。字義の有無を問わず、1音節を表す文字という点において音節文字である日本語の仮名とは近い関係にある。

WIKIPEDHIA”漢字”より

日本語は、第一波以降も続いたおそらく七五調の詩的音素としての音楽的要因によってか、漢字熟語2字にあてはめて表すという熟語生成傾向があったそうだ。

箱の中で「呼び表したい外国単語が元々持つであろう意味」と、「名付けた熟語の構成漢字が元々持つ漢字それぞれの意味や音」が混在し、本来的な言語として内存する意味や音が複雑化してしまったことによる、難解なものに対する畏怖心について、カセット(宝石箱)にしまわれてはっきり見えないことで過大評価してしまうような心的作用として考え、「カセット効果」と呼んだ。

経済・社会・個人・近代・恋愛・存在・自然・権利・自由・健康など

それが、翻訳的言語生成によって、意味が変わったり追加されていることの動性についても論じた。

しかし、そもそも翻訳というものに興味を 持ったのは、いつのことだったろうか。

やはり、詩だ。

未だに、日本の母音脳は女性のかなつかいを世界イメージとしてそれ自体調和として叙述的にまた呪術や祈りのごとく提示するのである。大和の国のかの女王のように。

二度の強姦により生成した子であるわれわれは、その現在をどのように詩として自らとダイアローグしていくのか。その他者性の持つ論理的矛盾にこそ、われわれはあり、しかし生物としての脳は、いかに交じり合おうとも根本的には同じ大地にある以上は変わらないのでしょう。そこに創造の鍵は隠されている。

グローバルというのは「経 世済民」の中の生きていくための俗物語であり、歴史や文学すなわち詩においては、ひとつひとつの現象の世界的総和でしかないように思うのです。

スヌー (Bar Kitty)

Pretend Koukou Sep 9/27(Sun) 19:00~∞ 紅茶・コーヒー&軽食付き ¥1,500 毎月課題を設け、われわれとわれわれの集まりに興味を持ってきた方々ひとりひとりが、くじ引きで恣意的に与えられた順番を元に課題について話します。場合によっては話が深まり時を忘れて朝までというようなこともあったりしますが、それはときによります。 =9月の課題= 読書の秋。9月の課題は翻訳です。 コミュニケーション言語としての翻訳だけではなく、文化の翻訳や詩的な普遍的なものの翻訳なども高次の翻訳と捉えることも可能でしょう。 手前味噌ながら、主催者のひとりのロンドン育ちのネイティブ英語のかおりにもいろいろ聴いていただける機会になると思います。

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