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【Review】Lemany Vergel個展

現実にはあるはずのない、高次には必ずあるはずのCuban Space Program、キューバの宇宙計画がここにあります。

レマニのペインティングは生物の深い層の次元に漂うものの動きを見せてくれるように感じます。キューバの深まった夜にこれをひとり孤独に描いたのでしょうか。その点は、Gallery IND.の吉倉さんに素晴らしい洞察の紹介文を書いていただいています。そちらもぜひご覧ください。→http://www.gallery-ind.com/

革命詩人ホセ・マルティの書いた詩に、「わたしの祖国はキューバと夜 Cuba y la noche」だという句が出てきます。

私には二つの祖国がある。それはキューバと夜。 それとも二つは同じものなのか。 太陽が威厳のある姿を消すやいなや、長いヴェールを身にまとい、 カーネーションを手にしたキューバが、静かに、 悲しげな未亡人のように、私の前に立ち現れる。 私は知っている、その手に震える血まみれのカーネーションが何なのかを! 私の胸は空っぽだ。打ち砕かれて空っぽだ、 心臓のあったところは。 もう死に赴くべきときだ。 夜は別れを告げるに都合がいい。 光は邪魔になる、そして人の言葉は。 宇宙は人間より巧みに語る。

戦いに誘う(いざなう)旗のように、蝋燭の赤い炎は揺らめく。 自分の体が窮屈になって、私は窓を開ける。 すると、押し黙って、カーネーションの葉をむしりながら、空を掻き乱す雲のように、未亡人のキューバは通り過ぎる・・・

太陽が姿を消したあとに出てくる未亡人のキューバとは月のことでしょう。キューバは三日月のような半島形をしています。夜とキューバが同じものなのか。夜、そのとき昼間の現実とは異なる高次元の世界である宇宙が人間より巧みに語りだすのです。

レマニは2013年に、スヌーとかおりがハバナで知り合った国際的にはほぼ知られていないアーティストです。彼の作品に何かを感じていただけたら友人としてこれ以上のことはありません。会った時には、40代で、去年孫も生まれて、だけどお国柄で海外に一度も出たことのない画家です。こうやってGallery IND.の吉倉さんが自分たち以外に初めて真摯に見て何かを感じ取ってくれて、共同開催していただいて、そんなギャラリストがいること自体に驚き感謝しています。本当に皆さんにも見ていただきたい展示になっていますので、ぜひ、Gallery IND.とBAR KITTYに足を運んで、各作品15分くらいじっくりと味わって欲しいと思います。 https://www.facebook.com/events/178533142568942/


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